Welcome to “A 10,000-Yen Bill Won’t Fill Your Stomach” — an investment essay series by Yugo, a mid-40s Japanese salaryman who wasted his 20s and found financial wisdom the hard way. In this first episode, Yugo challenges the common belief that holding cash is “safe,” and reveals why a 10,000-yen bill is, at its core, just a fancy piece of paper. If you’ve ever hesitated to invest because it feels risky, this story is for you.
あなたの財布の中に入っている一万円札、触ってみてください。
ちょっといい紙ですよね。
そのまま食べようとしたら、たぶん不味い。お腹も膨れない。それが今日の話の出発点です。

一万円札の正体
お金って、何でしょう。改めて聞かれると、ちょっと困りますよね。
私なりの答えはシンプルです。お金は「交換手段」にすぎない。それ以上でも、それ以下でもない。
歴史をちょっとだけ振り返ると、人類はもともと物々交換をしていました。魚と野菜を交換する、木材と労働力を交換する。でもそれだと不便すぎる。だから「みんなが価値を認めるもの」を間に挟んだ。それがお金の始まりです。
つまり一万円札の価値は、日本という国と、そこに生きる人々の「信頼」によって成り立っている。みんなが「これには価値がある」と信じているから、価値がある。信頼が崩れたとき、それは本当にただの紙になる。
極端な話に聞こえるかもしれませんが、歴史上それが実際に起きた国は何十もあります。遠い話ではない。だからこそ、お金はモノに変えておく必要がある。それが投資というものの、いちばん根っこにある考え方だと私は思っています。
もちろん、現金は必要だ
「じゃあ全部投資に回せばいいのか」——そうじゃない。
日本で生きていると、円がないと何もできません。スーパーで野菜を買うにも、電車に乗るにも、家賃を払うにも円が要る。毎月のお給料から、まず生活費をしっかり確保する。これは大前提です。
それだけじゃない。人生には必ず「想定外」が来ます。子どもの塾代が急に増えたり、自分や家族が病気になったり、親の葬式で数十万が飛んでいったり。私自身も、何度かそういう場面に直面してきました。その話は次回に詳しくしますが、手元に置いておく現金の「適正な量」というのは、ちゃんと考える必要がある。
今日はまず、「現金で持っておけば安心」という感覚が、本当に正しいのかどうかを問い直してほしいんです。
牛乳が教えてくれたこと
具体的な話をしましょう。
牛乳、最近買いましたか?
ついこの前まで、スーパーで200円以下で買えていた牛乳が、今はどんなに安くても238円します。私の近所のスーパーでも、じわじわと値段が上がっていくのを肌で感じてきました。
牛乳そのものは変わっていない。同じ1000mlパック、同じ白い液体、同じ味。変わったのは「お金の側」です。円という通貨の購買力が下がった。つまり、お金の価値が下がった。これがインフレです。
計算してみると、200円だったものが238円になるということは、約19〜20%の値上がり。裏を返せば、手元にある現金の価値が約20%目減りしている、ということです。
投資で20%の損失が出たら、かなり痛い。
でも、現金を持っているだけで、同じことが静かに起きている。
投資の損失は数字として目に見えるから怖い。でもインフレによる目減りは、見えにくい。じわじわと、気づかないうちに、財布の中身の「実力」が削られていく。そっちのほうが、ある意味でずっと怖いと思いませんか。
「投資はリスクでしょ?」という人へ
私がこういう話をすると、必ず言われます。
「でもゆうごさん、投資ってリスクがあるじゃないですか。怖くないですか?」
正直に言います。怖いです。今でも相場が荒れると、少しドキッとします。かつてFXで痛い目を見ているので、なおさら。
でも、こう考えるようになりました。お金をそのまま持っておくことも、リスクを取っているのと同じだ。
リスクを取るか取らないかではなく、「どのリスクを選ぶか」という話なんです。現金を持ち続けることは「インフレリスク」を選択している。投資をすることは「市場変動リスク」を選択している。どちらも、リスクから逃れることはできない。
だったら、せめて自分でコントロールできるリスクを選びたい。勉強して、分散して、時間を味方につける。それが私が30代半ばから投資を始めた理由であり、今でも続けている理由です。
20代の私に教えてやりたかった。いや、教えてもらっていたとしても、聞かなかったかもしれない。人間そういうものだ。
今日、持ち帰ってほしいこと
難しい話は一切していません。今日お伝えしたかったのはただひとつ。
「投資はリスク」は正しい。
でも「現金で持っておけば安全」は、正しくない。
お金は交換手段にすぎない。そして交換手段の価値は、時間とともに変化する。牛乳が教えてくれたように、じわじわと、確実に。
財布の中の一万円札を、ちょっと違う目で見てみてください。ちょっといい紙。そう思えたなら、今日の話は届いています。
さて、次回は「じゃあ、最低限いくら現金を手元に置いておけばいいのか?」という、かなり実践的な話をします。私が実際にどうやって生活防衛資金を考えてきたか、そして「300万円あれば安心だ」と思っていた時期の、根拠なき自信とその後の現実についてお話しします。
── 手元にいくら置けばいい? その答えを探した30代の話。
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一万円札じゃ腹は膨れない
第2話(近日公開) →


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