【一万円札じゃ腹は膨れない】第2話:300万円の根拠なき安心

投資・お金

In this second episode of “A 10,000-Yen Bill Won’t Fill Your Stomach,” Yugo reflects on a question that most people never seriously ask themselves: how much cash do you really need on hand for emergencies? His answer was 3 million yen — but as he admits, it had no logical basis whatsoever. It was pure gut feeling, shaped by a vague memory of medical bills he once saw. And yet, that instinct became the foundation of his entire investment strategy. Sometimes, “good enough” is better than perfect.

「あなたは今、貯金がいくらあれば安心できますか?」

この質問に即答できる人は、意外と少ない。300万円?500万円?1,000万円?
そしてその金額の根拠を聞かれたとき、ちゃんと答えられる人は、もっと少ない。

私が最初に出した答えは「300万円」だった。
でもその根拠を問われたら、正直に言うしかない。何もない。完全なる感覚だった。


前回のおさらい:持ち続けることも「リスク」だ

前回の第1話では、一万円札の本質について話しました。
あの紙切れが「価値を持つ」のは、みんながそう信じているからにすぎない。

そして、スーパーで牛乳の値段が上がり続けているという事実を通じて、
現金をただ持ち続けることも、インフレという形で静かにリスクを取っているということをお伝えしました。

「投資が怖い」という感覚は正直だと思います。でも怖いのは投資だけじゃない。
問題は「どのリスクを選ぶか」なんです。

今回はその続き。じゃあ手元にいくら置いておけばいいのか。
その問いに、私なりの答えを出していきます。


「いざというとき」は、いつ来るのか

人生には、予告なくお金が必要になる瞬間があります。
私が実際に経験したり、周囲を見て痛感したのは、だいたいこういう場面です。

  • 子どもの塾代・受験費用(想定外の金額)
  • 自分や家族の病気・入院・手術
  • 親の葬儀・相続関連の費用
  • 車の故障、家電の一斉壊れ
  • 会社でのリストラや転職期間中の生活費

これらに共通しているのは、「来るとわかってはいるが、いつ来るか、いくらかかるかはわからない」ということです。

しかも、これが20代と40代では話がまったく違う。

ゆうごが「いざというとき」の出費について考え込んでいる場面


若いうちと、歳を取ってからでは「リスク」が変わる

私が20代のとき、正直なところ突発的な出費なんてほぼなかった。
親は元気。独身。子どもなし。体も丈夫。

あのころ必要だったのは「自分一人が数ヶ月食いつなげる生活費」くらいのものでした。
それが当時の私の「安心ライン」だったわけです。

ところが30代後半になると、状況は一変しました。
結婚して、子どもができて、親の年齢を気にするようになって。
ライフイベントが、まるで嵐のように連続してやってくる。

同じ「安心ライン」でも、年齢やライフステージによってその金額はまるで違う。
これは当たり前のようで、若いころの私はまったく意識できていませんでした。


300万円の根拠、正直に話します

さて、私が「緊急資金は300万円」と決めた話に戻ります。

30代半ばに投資を始めようとしたとき、最初に考えたのが「じゃあいくら手元に残すべきか」という問いでした。
そのとき頭に浮かんだのが、たしか以前にどこかで見た高額医療費の記事でした。

「がんの治療に数百万かかった」「手術と入院で300万近くかかった」——そんな内容だったと思います。
記憶は曖昧ですが、その「300万円」という数字だけが、なぜか頭に残っていた。

だから、300万円にした。それだけです。

根拠?ない。計算式?ない。FP2級持ってるのに、そんな感じで決めたのが正直なところです。
笑ってください。でも、これが現実でした。

「完璧な計算なんてできない。でもどこかで”これで行く”と決めなければ、一歩も踏み出せない。」

FPの勉強をしていたから、本来なら「生活費の6ヶ月分」とか「年収の半分」とか、
もっとちゃんとした計算式を使うべきでした。

でも実際のところ、人はそんな計算よりも「なんとなく安心できる金額」で動いている。
そしてそれは、悪いことじゃないと今は思っています。


「安心ライン」を決めたら、残りは投資へ

考え方はシンプルです。

日頃の生活費(月ごとの収支)
 +
緊急資金(私の場合:300万円)
 =
手元に置くべき最低限のお金

それ以外は、手元に置く必要がない。

この考え方を持つだけで、投資に対する姿勢がガラッと変わりました。
「もしものときのために全部取っておこう」という感覚が、少しずつ薄れていったんです。

もちろん、300万円は私の数字です。
独身の方ならもっと少なくていいかもしれない。子どもが多い方は500万円必要かもしれない。
正解は一つじゃない。

大事なのは「自分の安心ラインを、自分で決める」ことだと思っています。


「感覚」を馬鹿にしてはいけない理由

私がFP2級を取ったのは、投資を始めてしばらく経ってからでした。
勉強してみてわかったのは、「自分の直感は、そんなに外れていなかった」ということです。

高額療養費制度を使えば自己負担の上限は月に数万円に抑えられる——そういう知識は確かにある。
でも、交通事故の後遺症、介護、予期せぬ収入減。そういうものは制度でカバーしきれない。

「なんとなく300万円」という直感には、そういった漠然とした不安が全部込められていた。
完璧ではないけれど、的外れでもなかった。

直感はデータではありません。でも、長年生きてきた経験の蓄積でもあります。
完璧な計算を追い求めて動けなくなるより、「これで行く」と決める勇気の方が、ずっと価値がある。
そう思うのです。


今回、持ち帰ってほしいこと

今日の話を一言でまとめます。

完璧な計算なんてできなくていい。
「これだけあれば大丈夫」という自分なりの安心ラインを決めること。
そこから先が、投資のスタートラインだ。

あなたの安心ラインはいくらですか?

今日、10分だけ時間を取って、ノートに書いてみてください。
計算じゃなくていい。「なんとなくこれくらい」で十分です。
その数字が、あなたの投資人生の第一歩になります。

ちなみに、私が実際に使っている証券口座はSBI証券です。
日本株も投資信託も、ここで管理しています。口座開設自体は無料なので、
「安心ラインを決めたら次のステップへ」という方は、準備だけでもしておいて損はないと思います。


📖 次回予告:第3話
次回は「貧乏人は浪費する、金持ちは投資する」。
安心ラインを超えたお金の使い道——それがあなたの人生の「色」を決める。
20代の私が何にお金を使っていたか。そして今、何が変わったのか。正直に話します。

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