In this third episode of “A Ten-Thousand-Yen Bill Won’t Fill Your Stomach,” Yugo reflects on a powerful phrase a friend once said: “The poor spend, the average save, and the rich invest.” Looking back on his wasteful twenties, he comes to a surprising realization — that even keeping money in a bank account is, technically, a form of investment. The question is whether you’re conscious of it or not.
あなたは今、どこにお金を「置いて」いますか?
銀行口座に入れているだけ、と思っているなら、それはすでに「投資」です。
意識しているかどうか、ただそれだけの違いで。
前回のおさらい:「これで行く」と決めた日
前回の第2話では、投資を始めるにあたって「緊急資金をいくら残すか」という問いに向き合いました。FP2級を持っているくせに、根拠は高額医療費の記事をうっすら覚えていたこと、それだけ。300万円という数字を感覚で決めた。そのことを恥ずかしいとは思いつつ、完璧な計算より「これで行く」と腹を決めることが、投資の本当の第一歩だと気づいた回でした。
さて、今回はその「覚悟」の前段階、つまり僕がなぜ30代半ばまで投資に踏み出せなかったのか、というところに触れていきます。答えは単純です。20代の僕は、ひたすら浪費していたんです。
友人の一言が、ずっと頭に残っていた
20代後半のある夜、仲の良い友人と居酒屋で飲んでいたときのことです。話の流れで「お金ってどうしてる?」という話題になった。そのとき彼が、さらりとこう言ったんです。
「貧乏人は浪費する、普通の人は貯金する、金持ちは投資する」
その言葉は、すっと耳に入ってきた。「なるほど」と思った。ちょっとした感銘を受けた。そして次の瞬間、僕はビールをひと口飲んで、話題を変えた。
そのまま5年以上、何もしなかった。バイクのパーツを買い、遠征ツーリングに出かけ、旨い肉を食い、温泉宿に泊まり続けた。お金は入ってきて、出ていった。残高は増えなかった。あの言葉は頭の片隅に残りながら、行動には一切つながらなかった。
知っていることと、やっていることの間には、深くて暗い谷がある。そのことを20代の僕は、まだ理解していなかった。

20代の僕は、典型的な「貧乏人」だった
給料日に口座の残高を確認して、「よし、今月もなんとかなった」と思ったことが何度あったか。もちろん貯金はゼロではなかったけれど、増えることもなかった。毎月の収支はほぼトントンか、むしろマイナスに近い月もありました。
浪費、といっても悪いものに使っていたわけじゃない。バイクのツーリング費用、宿代、グルメ旅の食事代。楽しかった。本当に楽しかった。でも気づいたらお金はなかった。楽しい思い出だけが積み上がって、資産は積み上がらなかった。
友人のあの言葉を聞いたとき、僕は自分が「貧乏人」の側にいることを薄々わかっていた。でも認めたくなかった。だから話題を変えたんだと思います。人間って、図星のときほど目を逸らしますから。
タンス預金以外は、すべて投資だという話
ここで少し、驚かれるかもしれないことを言います。タンス預金以外のお金は、すべて何らかの「投資」です。これは極論ではなく、構造の話です。
銀行に預けているお金。あなたはそれを「安全に置いている」と感じているかもしれません。でも銀行は、あなたから預かったそのお金を使って、企業への融資や国債の購入、さまざまな金融商品への投資をして稼いでいます。あなたに支払う利息は、その運用利益の一部です。
つまり銀行預金は、「銀行に運用をお任せする投資」なんです。リターンは超低金利の利息で、リスクも存在します。万が一銀行が破綻した場合、保護されるのは預金者一人あたり元本1,000万円とその利息まで。それを超える部分は保証の対象外になります。これが「ペイオフ」と呼ばれるルールです。
1,000万円以上を同じ銀行に預けている方は、これをちゃんと意識したほうがいい。銀行預金は「絶対安全」ではなく、「リスクの低い投資」なんです。
意識するかどうか、それだけで世界が変わる
「投資なんてしたことがない」という人でも、銀行口座を持っていれば、すでに投資家です。ただ、それを意識していないだけ。意識していないということは、どんなリターンがあって、どんなリスクを取っているかを把握していないということでもあります。
僕が20代に足りなかったのは、お金に対するこの「意識」でした。稼いで、使って、残ったら銀行に入れる。それだけ。銀行を「お金の保管場所」としか見ていなかった。でも実態は、超低リターンの金融商品に乗っていただけだった。
そのことに気づいたとき、正直に言うと悔しかった。知識がなかったわけじゃない。FP2級の資格を取ったのは30代のことですが、それ以前から本やネットで金融の仕組みを調べたことはありました。知っていた。なのに、使っていなかった。
これが、「知っていることとやっていることの谷」の正体です。情報だけがあって、行動がない。意識が薄いまま、日々はすぎていく。
今の僕が選んでいるもの
今の僕は、生活防衛費(緊急資金)以外のお金は、意識的に投資に回しています。不動産投資、配当株、そしてウェルスナビ。銀行口座に眠らせているお金は、生活費と直近の出費分だけです。
投資の口座は楽天証券をメインにしています。使い始めたのは30代後半で、最初は恐る恐るでしたが、今では自分の「お金の指令塔」みたいな存在になっています。ポートフォリオが見える化されているのが地味に効いていて、「今どこにどれだけ投じているか」が一目でわかるのが気持ちいい。
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「投資をしていない」と思っている方でも、銀行口座があれば投資家です。あとは、それを意識した投資家になるかどうか、だけ。
この回で持ち帰ってほしいこと
今回の話を通じて、ひとつだけ持ち帰ってもらいたいことがあります。
あなたが銀行に預けている時点で、もう投資をしている。
あとは、意識するかどうかの違いだけ。
怖い話をしたいわけじゃないんです。「投資って怖い」「難しそう」と感じている方ほど、実はすでに参加している。ただ、意識が薄いまま参加しているから損をしている可能性がある、ということです。
20代の僕は浪費家でした。お金に対して無自覚でした。でも無自覚だったのは、知識がなかったからじゃない。意識が向いていなかったからです。バイクのことには全力で向き合っていたのに、お金のことは後回しにしていた。その差が、30代に効いてきました。
意識を向けるだけで、世界の見え方は変わります。難しい知識がなくても、まず「自分はどこにお金を投じているか」と問いかけてみてください。それが、すべての始まりです。
次回予告
ところで、さっきこんなことを書きました。「知識がなかったわけじゃない」と。
実は僕、FP2級という資格を持っています。ファイナンシャルプランニング技能士2級。お金の知識を体系的に学んで、国家試験を突破した資格です。そんな資格があったのに、どうして30代半ばまで「意識の薄い投資家」のままだったのか。
次回は、その矛盾と向き合います。
次回:第4話「FP2級、取ったのに使えなかった男」
知識は武器になる。でも、使わなければただの飾り。資格を取った翌年にFXで損をした男の話を、次回お届けします。
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